暗号化のパフォーマンスへの影響

暗号化を利用するとシステムが遅くなるのではないかと心配される方は多くいます。実際に暗号化をすると、どの程度パフォーマンスに影響するのかは気になるところです。

通常、暗号化のスピードはCPUの性能に依存します。透過型暗号化ではディスクへの読み書きのタイミングで暗号化が行われますので、その頻度が多い場合はCPUの利用率が高くなることになります。それはどの程度なのでしょうか?

我々が実際に行ったMySQLを利用したパフォーマンステストでは、CPUの負荷に余裕がある状態でのパフォーマンスの低下は5%未満です。しかし、ピーク時の高負荷状態では15%程度のパフォーマンス低下となりました。

これはテスト条件にもよると思いますが、通常の負荷テストツールではデフォルトで性能限界を測定しますので、その状態でテストをすると、かなりパフォーマンスが落ち込んだようなイメージを与えます。しかし、それを実際にグラフ化してみるとCPU性能の限界に達する直前までは、そんなにパフォーマンスが落ちていないことが分かります。

システムの運用において限界性能で運用することはないと思いますが、常にシステムのCPU負荷を監視していただくことが、暗号化システムの運用においては重要なポイントとなります。