暗号化は善か悪か

テロリストが暗号化技術を使っていることが問題になっていることを前回述べましたが、それにより、暗号化技術自体を悪者扱いする論調がアメリカなどで活発になっています。しかし、その議論はほとんどが監視や規制を強化したい当局側の立場のもので、あまり賛同できるものではありません。

そもそも、暗号化技術はプライバシーの保護や、企業秘密の保全などに有用な技術であり、それ自体に善悪があるわけではありません。また、インターネットの商取引などではプライバシーの保護が重要であることは、いまや周知の事実であり、犯罪者から大事な情報を守るために暗号化をすることのほうが、大多数の人にとっては有益なことです。

暗号化にいくら規制をかけても、規制の抜け道はいくらでもありますし、すべてを監視するような非効率で無駄なことにコストをかけずに、テロリストを生まない社会にするための議論を活発にしていただきたいものです。