次世代ファイルシステムでは暗号化が標準仕様となるか

WWDCというイベントをご存知の方も多いと多いと思いますが、毎年、米アップル社が開催する開発者向けのイベントがです。ここでは開発者向けという事もあり、多くの新技術が紹介されます。今年は6月の13日から17日までサンフランシスコで開催されました。

新機種や新OSの紹介がメインの中で地味に紹介されたのがアップルの次世代ファイルシステムAPFS(Apple File System)です。このファイルシステムは最近の主流の半導体ディスクであるSSDやフラッシュストレージなどを前提とした64ビットファイルシステムなのですが、注目すべきは主要な機能として暗号化が搭載されていることです。

このAPFSの暗号化の特徴は、単純なディスク全体の暗号化だけでなく、個別の暗号鍵でのファイルの暗号化にも標準で対応していることです。さらにクローンやスナップショットの機能も改善されています。これらが来年以降にMacOSやiOSに搭載されていくということですから、まさにクラウドやIoTを想定した次世代のファイルシステムと言えます。

数々の暗号化ソフトウエアがある中で、現在はどれが最善かと見極めるのは大変なことですが、OSに付属しているファイルシステムが高度な暗号化を標準で実装するようになると、一般の利用者への暗号化の理解も一気に広まるのではないかと思います。