先日、Yahoo! JAPANが全サービスの常時SSL化を進めると発表しました。SSLというのは主に通信の暗号化で利用される技術で、ウェブサイトで利用する場合はHTTPSというプロトコルが利用されます。インターネットで買物等をするときは、ブラウザ上に鍵のマークが現れたり、グリーンになったりしてSSLによって通信が暗号化されていることが分かるようになっています。
さて、この常時SSL化ですが、Googleでは2012年あたりから取り組んでおり、今はすべてのサービスが常時SSL化されています。また、今年に入ってから、Googleが常時SSL化しているサイトの検索結果のランキングを上位にするという発表をしたものですから、多くのウェブサイトが常時SSL化への対応を始めています。
常時SSL化でインターネットはさらに安心して使えるようになると思われるかもしれませんが、では、実際にはどんな効果があるのでしょうか?。常時SSL化によって何がもたらされるのかというと基本的には通信の暗号化です。つまり、通信が傍受された場合に効果があります。具体的には無線LAN環境などでは、そのような危険にさされることが多く、プライバシーの保護などには大きく寄与するとになるでしょう。
それで全てが安心かというとそうではありません。今の情報漏えいの事件では通信の傍受によるものは大変少なくなっています。つまり、通信の暗号化は当たり前という前提での攻撃になっているのです。それは脆弱性への攻撃であったり、ウイルスによる攻撃であったりさまざまですが、通信の暗号化だけでは対応できないものが増えてきています。その対応のために保持するデータの暗号化するというシステムが増えているのです。
世の中が通信の常時暗号化の世界へ移っていきます。そして、その次は保持するデータの常時暗号化へ向かうのではないかと思います。