災害時のためにバックアップは暗号化してクラウドへ

先週から続く熊本地震では、ビジネスにも大きな影響が出ています。ビルや家屋の倒壊により、元の場所でのビジネスの継続が難しくなり、仮のオフィスでビジネスを再開させた方も多くいます。

ビジネスにおける災害対策においてはBCP(事業継続計画)と呼ばれる緊急事態における事業の継続と復旧を可能とするための計画を平常時に取り決めておくことが重要になります。今回のような災害においていち早く事業を再開できるかどうかは、平常時の準備の差が大きく影響します。

ビジネスでは常に最悪の事態を考えておくようにと言われますが、今回のように自然災害によってオフィスが使えなくなるというのは、その一例です。東日本大震災をきっかけに多くの会社がBCPを推進するようになりましたが、特に中小企業では災害が倒産のリスクと直結することが多いので十分に準備しておくことが求めれます。

そのときに求められるのがビジネス上のデータのバックアップですが、バックアップというとすべてのデータをバックアップしなければならないと思う方が多いようです。しかし、それをしてしまうと膨大なデータになり、復旧にも時間がかかってしまいます。災害時においてすぐに復旧すべき必要なデータというのは、ビジネスにおける中核事業の直近のデータのみです。これらのデータを事前に見極めておくことでビジネスの早期復旧を実現することができます。

クラウドへの重要なビジネスデータのバックアップには、まだ抵抗を感じる方もいます。しかし、クラウドは複数の分散されたコンピュータで構成されるので災害に強いというメリットもあります。その利点を最大限活かすために、バックアップデータを事前に暗号化してクラウド上に保存することを検討していただければと思います。