今月、グーグルから発表された新製品のPixelは、iPhoneをかなり意識して作られたグーグルブランドのスマートフォンです。この製品では、ハードウエア暗号が標準で搭載されており、システムの性能を落とすことなく暗号化機能が利用できるようになっています。
iPhoneではハードウエア暗号はかなり前からサポートしていましたが、Androidの場合、コストやパフォーマンスの問題もあってなかなか搭載が進みませんでした。グーグルはAndroid6.0から端末の暗号化を義務化していますが、暗号化をソフトウエアで行うとCPUに負担がかかり、パフォーマンスに影響を与えます。最近になってCPUの性能が良くなって、ようやくAndroid6.0の端末が標準になりつつあります。
しかし、CPUの性能に依存した暗号化は、OSやアプリケーションのパフォーマンスに影響を与えますので、今回のPixelのようなハードウエア暗号機能を搭載した端末が増えてくれば、そのうような問題も解消していくことになります。
さらに、Android端末のハードウエア暗号が普及すれば、製造コストも安くなり、他の情報家電や、IoT端末等に一気に暗号化が普及するきっかけになっていくことでしょう。